守門山塊 藤平山(1144m) 2013年5月25日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  6:24 除雪終点−−7:08 大池−−7:17 崩壊地−−7:42 稜線−−7:44 登山道−−8:36 藤平山(休憩) 9:07−−9:22 稜線を離れる−−9:31 崩壊地−−9:44 大池−−10:13 除雪終点

場所新潟県魚沼市(旧入広瀬村)
年月日2013年5月25日 残雪期日帰り
天候
山行種類残雪期登山
交通手段マイカー
駐車場除雪終点の路肩に駐車
登山道の有無あり。ただし一部は土石流で消失、稜線上は残雪で夏道埋もれる
籔の有無土石流跡から稜線まで夏道を失って灌木籔漕ぎだが、目印を頼りにすれば夏道に辿りつけたはず
危険個所の有無無し
山頂の展望展望良好
GPSトラックログ
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コメント大池コースから往復。当初は守門岳から黒姫か烏帽子山往復を目論んでいたが、思ったより残雪が少なそうに見えたこと、林道が雪に埋もれて片道1時間の歩きが加わったことでテンションが下がって藤平山往復に格下げ。登山口の大池には登山道崩壊で通行止めの看板ありだが、崩壊地は登山道の平坦地で危険はなく、目印に従って崩壊地を横断すれば斜面の登りにかかるところで夏道に出られる。稜線に出ると残雪で、夏道に沿って雪に埋もれた谷を登った。山頂一帯も残雪に埋もれる。展望良好。既に虫が多く虫よけ必携




除雪終点。車道合流点 未除雪の林道を見る
半分くらいは雪に埋もれる 神社?
カモシカの骨 頭骨には角も
大池 登山口。崩壊で通行止めの看板
池のふちに沿って進む たぶんこれが登山道?
崩壊地に遭遇 夏道入口を探すが見当たらず
地形図を見てそれらしい場所を登る
灌木はあまり濃くない 間もなく稜線
稜線に出たがまだ夏道無し 残雪に乗る
夏道登場 イワウチワ
ショウジョウバカマ まだ雪が多く夏道は雪の下
 夏道はここで尾根を外れて左の谷に入る 谷も雪に埋もれる
流れが出ているのは2か所ほど 夏道がある小尾根に乗る
しっかりした道 尾根復帰前は左を巻いた
北側の尾根
尾根に乗り西を見る 山頂向けて登る
大岳〜守門岳
最後の登り 藤平山山頂
藤平山から見た守門岳(クリックで拡大)
藤平山から見た浅草岳〜毛猛山塊、越後三山(クリックで拡大)
藤平山から見た北アルプス、北信三山(クリックで拡大)
藤平山から見た前毛猛山 まだマンサクが咲いていた
帰りは谷筋を下った 夏道
最初は谷を下るが途中で夏道は逃げる
どこで逃げたか分からずそのまま谷を下った
傾斜が急になって左の小尾根に逃げる
崩壊地に出た 夏道。登り方向を見ている
下り方向の夏道 崩壊地を抜けた夏道入口
崩壊地西側から見る 大池登山口に戻る
まだ杉花粉の煙が出る タムシバ
除雪終点到着


 もう5月終盤、標高が高い場所以外がたとえ豪雪地帯でも雪が無い。標高2000m以上ならまだ楽しめるが対象となる未踏峰が無い(硫黄尾根を除く)。もう虫も飛び始めており夏山シーズン間近、いっそのこと北を目指そうかとも思ったが土日の2日間で行けて雪がある場所となると飯豊以北、ちと遠い。悩んだ挙句、雪があるか不明だが守門岳に決めた。守門岳は既に登っているが、その東の黒姫や烏帽子山が未踏だ。登山道は無いので雪が無いと激藪に苦しむのは確実。今年も考えていたが天候等の関係で行けなかった場所だ。

 守門岳はいくつかルートがあり、一番近いのは大白川だが大規模な地滑りで通行止め。雪が乗っていれば適当な斜面を迂回して歩けるだろうがもう無理だろう。他にいくつかルートがあるが、大池から登るコースだと藤平山をという未踏の山を踏めるのでここに決めた。念のためネットで検索をかけたが昨年の登山記録がない。数年前だと藪っぽいとの記録が見られたが、入口付近だけで稜線上はまともらしい。まあ、もし廃道状態だとしても全く道が消えてしまったわけではないだろう。

 大和PAで仮眠し明け方に動き出す。小出ICから国道252号線を東に向かい、鏡ヶ池から北上するが、集落の細い道が入り組んで目的の道が分からない。ロードマップではらちが明かず、地形図を取り出して読図する羽目に。しかしそのおかげで正しい道が分かった。麓から見る守門岳はかなり黒くなっていた。

 公園のような場所を通過し、斜面に沿って奥に延びる林道へ。少し落石や枝が落ちているが車が入った形跡あり。このまま大池まで行けると思ったが、別の道との合流点(標高475m)から先が除雪されていなかった。基本的にこの辺は緩い南斜面で標高もさほどではなく雪は無いだろうと考えていたが甘かった。思ったよりも雪が少なく見えた守門岳の様子も重なってテンションが下がる。こりゃ、今日は藤平山だけかなぁ。12本爪アイゼンとピッケルを用意してきたが、今回は安全装備は無しで出かけることにした。

 車道合流点より僅かに下った場所に駐車、残雪の林道を歩き始めると雪の上には足跡あり。先客は山菜取りだと思うがどこまで入っているのだろうか。雪は固く先人の足跡の有無にかかわらず歩きやすいのは助かる。林道の途中で道の真ん中に何かの骨を発見、よく見ると頭骨には見慣れた黒く短い角が2本、間違いなくカモシカの骨だ。さほど大きくはないので生後数年くらいだろうか、カモシカの骨は以前1度見たことがあるが、今回と同じように骨以外はきれいさっぱり無くなっていた。体毛は残っているが皮さえない。食料の乏しい時期には、事故か何かで死んだ大型動物は貴重な食料になるのだろう。ちなみにカモシカは牛の仲間なので肉はかなり美味いらしいとの話を聞いたことがある。ライチョウは記事の仲間で、これも美味いらしい。

 歩き続けて池が見えると大池登山口。登山口の標識が立っているが、登山道崩壊のため通行止めとの案内が。どこでどのくらいの規模で崩れているのか情報が無いので本当に通行不可能なのか分からないが、ここまで来て諦めるわけにはいかないのでそのまま進む。雪が無ければここまで舗装道路で車で入ることができる。

 登山道は最初は池の縁に沿って進み、その後は小さな尾根を越えて東に進む。夏道が雪に埋もれて見えないが、周囲は灌木藪なので雪の上しか道らしき個所は無い。尾根を越えると杉植林帯で僅かに夏道が出てルート確認OK。

 その先の広い谷は土石流で地面がむき出しになっていた。これが登山口に出ていた崩壊地らしい。夏道は完全に流されて形跡は無いが、谷が終わって斜面が立ち上がった場所では夏道が残っているはずである。崩壊は斜面北側を起点としており、夏道が巻きこまれたのは平坦部分のみか、もしくは斜面区間では崩壊地のぎりぎり東側に入っているかどうかであろう。一応周囲を見回したが夏道らしき筋を確認できず、とりあえずガレの東端付近の斜面を登ることにした。地形図を見た感じではその付近に夏道があるからである。うまく夏道が見つかるか不明だが、どのみちここを登って稜線に出れば夏道があるはずで、そこまでは藪が薄い個所を適当に登ればいいだろう。

 最初は木を避けて草付きの多い斜面を選んで登り、夏道がないか左右を見渡しながら進むがそれらしき筋は無い。斜面が立ち上がると横移動は面倒になるので真上に進む。小さな谷地形に出て藪が薄いので登っていくが、岩が露出した区間は滑りやすく、たまらず左の灌木斜面に逃げて木に掴まって急斜面をクリア。それより上部は傾斜が緩んで尾根が近いことを予感させる。さっきまでテンションが低かったが藪の斜面を登っていると元気が出てきて、これなら黒姫や烏帽子山狙いでピッケル、アイゼンを担いでくればよかったと後悔。たぶん夏道を歩いていたらこんな気分にならなかっただろうな。

 たぶん夏道はもっと右(南)だろうとトラバース気味に登り稜線へ。夏道よりも手前に出てしまったようで尾根上に道は無く薄い灌木藪だったが、これを進めばそのうち夏道に出るはずなので気にせずに進むとすぐに残雪帯が登場、その奥で夏道が見えた。やはり夏道より北寄りに上がってきたようだ。帰りは夏道を通って下山し、崩壊地のどこに出るか確認しよう。夏道合流点は標高850m地点だった。

 これより先は、最初の登りだけ夏道が出ていたが、一度傾斜が緩んだ先(標高850m肩)は一面の残雪で夏道は雪の下だ。地形図を見ると夏道は尾根上ではなく左手の谷に付いているようで、よく見ると谷の入口のトラバースするように僅かな区間だけ夏道が出ていた。尾根上よりも谷間の方が残雪が多く期待できることもあり、夏道のある谷にトラバース。最初だけ一部流れが出ていたがすぐに雪の下に潜ってしまい、一面の残雪に覆われた谷を登っていく。目印は無く谷がいくつも分岐するので注意してルートを辿る。まあ、一番太い谷が本流なので間違えることは無いだろう。それに最後の方でミスる分には周囲の斜面も真っ白なので、尾根直上は分からないがトラバース気味に上がっていけば山頂まで藪漕ぎ無しで行けそうだ。

 いくつかの谷の分岐を通過、そして夏道が谷から小尾根に取りつく個所と思われる谷の分岐(標高1050m)に到着、真ん中の小尾根には確かに夏道ありで、ここまで谷を間違えずに登ったことが確認できてうれしかった。このまま谷を詰めて稜線に達する手もあるが、とりあえず登りは夏道を辿ってみることにした。

 尾根下部は夏道が出ていたが登るとすぐに多くが残雪に覆われるようになり夏道も不明に。尾根直上だけは雪が無いが夏道も無く、地形図に書かれているように左にトラバース気味に上がっていく。最後はやや密な樹林を突っ切って稜線へ飛び出した。振り返ると西に延びる尾根も雪に覆われて真っ白だ。標高1000m台でこれだから雪の多さがうかがえる。

 尾根に出ると南側は雪庇が大きく残り、未だ高さ数mはありそうだ。雪は締まって歩きやすくワカンもアイゼンも不要、残雪期末期の雪質だ。ここを詰めれば藤平山山頂のはずで、広い尾根を登っていく。

 傾斜が緩んで広いピークに到着。最高点付近はやや背の低い横に寝た灌木が存在するが山頂標識は無かった。地形図を見ると登山道はこの北側を巻いてしまうようだ。今は残雪で夏道の存在は確認できない。もう守門岳は近い位置にあり、そこまではかなりの部分で残雪の上を歩けそうだった。ただし、守門岳から駒ノ神への尾根はここから見る限りは雪が落ちてしまっている。その先は尾根の向こう側で様子は見えない。諦めて正解だったかどうかはここからは判定できなかったが、来年は4月中か5月の早いうちに挑戦したい場所だ。本当は山スキーで行くべき場所かな。

 展望は良好。毛猛山の残雪は先週と比べて相当減っているのが分かる。荒沢岳もかなり白さを失っている。越後駒や中ノ岳はまだまだ白い。西に目を移すと標高火打の白さが際立つが、その左手の白い山脈は北アに間違いない。コントラストが薄くて肉眼では同定はできなかったが、帰宅後にカシミールで「写真判定」したら、白馬岳、五龍岳、針ノ木岳、蓮華岳の後立山に、餓鬼岳〜穂高岳付近が写っていた。これほどの距離が見えるとは驚きだ。逆に言えばあちらから守門岳が見えるわけだが、私の記憶では後立山のどこかの山頂から越後駒ヶ岳を見たことはあるが、それよりも遠い山が見えた記憶は無い。条件さえ良ければ飯豊だって見えるかも。でも湿気の多い夏じゃ無理かな。

 休憩は南側の雪庇上で。日差しが暖かくちょうどいい。ただし虫が多い。虫よけを持ってきたはずだがウェストポーチの中に無い! 先週はちゃんと使ったのだがどこに行った?(車の中にあった) もうこれがないとダメだな。手で虫を追い払いながら休憩。

 帰りは山頂西側直下まで入り込んでいる谷を下った。残雪の上を半分滑って歩いたので下りは速かった。登りと違って下りの谷はどんどん収束するので迷う心配も皆無だ。ただし下り過ぎないよう注意は必要。

 尾根に復帰し、僅かに出た夏道を辿って尾根を外れて斜面を下る。その入口は目印があり雪が無くて明瞭だったが、下り始めてすぐに小さな谷地形に入り残雪に埋もれて夏道が見えなくなる。どうやらどこかで夏道は左(南)に逃げたらしいがそれに気付かず、雪の残った谷を直進してしまった。雪が切れた途中で夏道が無くなっているのに気付いたが、今さら登り返すのは面倒なのでそのまま下降、傾斜がきつくなって滑落のリスクが出てきたら左の斜面に逃げて藪の中を下って行った。

 傾斜が緩んで樹林が薄くなり、右手の谷も斜面に消えたところで周囲を見渡すと、上方の斜面にピンク色のリボンが下がっているのが見え、よ〜く見ると薄いながら夏道だった。下り方向にも同じリボンがあり、そっちの夏道の方が明瞭だった。この辺は木が少なくどこでも歩けそうな植生なので道が薄く見える。夏道を辿って下っていき崩壊地に出ると、近くの杉の木に目印がぶら下がり、崩壊地を横断するように点々と目印が設置されていた。往路でも目印を見たが工事用かと思って気にしなかったのだが、実際にはちゃんと登山ルートを示していたのだった。これだったら一般登山者でも問題無く歩けるだろう。

 大池に出てからは雪に埋もれた林道歩き。もう山菜取りの人は引き揚げたようで除雪終点の車も消えていた。

 

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